わさびと...

わさびについて感じたことや体験など、わさび雑感を綴っています。

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  • 投稿日 2023-08-03

西伊豆自然体験学習ツアー

わさびコラム | 西伊豆自然体験学習ツアー

7月28日、29日に千代田区後援「西伊豆自然体験学習ツアー」を開催しました。

西伊豆自然体験学習ツアーは、千代田区の地方連携の一環として、西伊豆町の自然と日本の伝統的な食文化に触れ、人々との交流を経験することで、豊かな人間性、自ら学び、自ら考える力、などの生きる力の基盤を作り、子どもの成長の糧とすることを目的としています。

体験学習の様子をご報告します。

かつお節工場見学

三島駅に集合し、バスで土肥金山を経て西伊豆へ。
体験ツアーの最初は、カネサ鰹節商店さんでのかつお節工場見学です。

カネサ鰹節商店は、明治15年創業。伝統製法「手火山式焙乾製法」で、本枯れのかつお節を作っています。
「手」で熱をはかり、火を調整していく事から「手火山」の名前が付いたと言われています。

手火山式焙乾製法には、地元の薪を使うという決まりがあります。
この決まりによって自然の循環が守られるのです。
薪を得るために山の木を切ることで間伐の役目を果たし、山が手入れされます。
そして、山の木々が保たれることで土砂災害の防止となり、地域住人を守るとともに海の汚れを防ぎ、海の生態系が守られてきました。

かつお節削り体験をした子供たちは、削りたてのかつお節の美味しさにびっくり。

わさびコラム | かつお節工場見学

かつお節工場見学の様子

ガサガサ遊び

一日目の午後は、川でガサガサ遊び。

「ガサガサ」とは、タモ網で水辺の生き物を捕まえる遊びのことです。
水草の周りや岸辺を網で「ガサガサ」とすくい上げることからそう呼ばれます。

ガサガサの魅力は生き物と触れ合えること!
川には、テナガエビやスジエビ、小魚、ヤゴなどの水棲昆虫など実に多くの生き物が棲んでいました。
最後はエビや魚をリリースしました。

ワサビ沢の水温と比較するために、子供たちと川の温度を測りました。
一番水温の低いところで23.3度、高いところでは24.0度でした。

わさびコラム | ガサガサ遊び

ガサガサ遊びの様子

ブナの森トレッキング

二日目は8時に宿を出発し、仁科峠に向かいました。

仁科峠は、静岡県伊豆市と賀茂郡西伊豆町の境界に位置する峠で、標高は897mです。
峠は眺望が良く、周囲は熊笹の原が広がっています。

約二時間かけて、伊豆山稜線歩道を縦走するハイキングコースを往復しました。
ブナの森でブナの保水機能や天然林と人工林の違いなどを学びました。

わさびコラム | ブナの森トレッキング

ブナの森トレッキングの様子

ワサビ沢見学

体験学習の最後は、堤農園さんでのワサビ沢見学です。

堤農園は、昭和3年創業。
最近では苗を購入するわさび農家さんが多いなか、堤農園さんは種を採取し、苗からワサビを育てています。

4代目の堤さんから畳石式の構造やワサビの栽培について説明いただき、収穫の様子を見学しました。
また、子供たちからの質問に答えていただきました。
大人には思いつかないような質問もあり、とても勉強になりました。
質問内容は、とても面白いので改めてご報告します。

子供たちは、湧水のひんやりした気持ちよさに歓喜をあげていました。
湧水の温度は、15.5度、下のワサビ田の水温は、16.6度~16.8度でした。
川の水は流れているので、水の温度はあまり高くなりませんが、湧水と比較すると10度近く差がありました。

わさびコラム | ワサビ沢見学

ワサビの収穫を見学する子供達

最後に

多くの皆さまにご協力いただき、無事に二日間のツアーを終えることができました。
深く感謝申し上げます。

自然に触れ、交流をしながらの体験学習が、子どもたちの成長につながることを願っています。